インタビュー

相双地域で実際に就農した方や先輩就農者にインタビューしてみました。農業経験がまったく無かった若い力も続々と活躍しています。

01

コンサルから農家へ。南相馬をタマネギの一大産地に。

豊福ファーム株式会社 豊田雅夫さま

福島県浜通りをタマネギの一大産地とすべく取り組んでいるのが豊福ファームの豊田雅夫さんです。元々東京で農業経営を支援するNPO法人で農業コンサルタントとして働いていた豊田さんが、南相馬で自ら農業を営むことになったきっかけは東日本大震災。震災で大きな打撃を受けた南相馬の農業を復興させるべく、アドバイザーとして派遣された豊田さんが目をつけたのがタマネギでした。

「震災後、もはや南相馬では農業はできないという雰囲気が支配的だったことに加え、生産者の高齢化も進み、営農再開への意欲を持つ農家の方々が限られていた状況でした。しかし、南相馬の復興に、農業は絶対に欠かすことができません。そこで、今後農業が再開できる状況になった時に、農地の集積が進むであろうことも踏まえ、意欲ある農家が大規模な農業経営にシフトしていくことが不可欠だと思いました。そこで、いろいろな可能性を検討する中でたどり着いたのが、大規模農業が可能であり、かつ放射性物質の移行係数が低いタマネギでした。」

当初はこの考えに共感いただいた地元の農家に協力いただき、2013年から3年間タマネギの試験栽培を開始。十分にやっていけるという手応えを得たものの、協力いただいた農家から本格的な農業再開の環境が進んだことでタマネギをやる余力がないと申し出を受けたそうです。「せっかく3年かけてつかんできたノウハウを無にするのはもったいないと思ったんです。協力いただいていた農家さんからも、豊田さんがやるなら農機もハウスも自由に使っていいよと言っていただきました。」

その後、北海道や長崎で実地研修を受けるなど、準備を進め、2016年に一家で南相馬に移住。2017年には原子力被災12市町村農業者支援事業を使ってタマネギの移植機械と選果設備などを導入、3ヘクタールの農地で初出荷。2018年には6haへと農地を拡大し、翌年以降もさらなる拡大を見据えています。「まだまだ失敗の連続ですし、収量も目標には達していませんが、出荷産地が少ない7月に合わせたタマネギを収穫するには南相馬はベストな気候。一大産地にしていきたい」と話してくれました。さらに豊田さんは、自社生産タマネギを活かして、相馬地方の名物「相馬野馬追い」にちなんだ「野馬土手カレー」を考案。キッチンカーでの販売を新たに始めるそうです。「玉ねぎを南相馬の名物に」すべく、豊田さんは挑戦し続けています。

02

高い評価を受けるトルコギキョウを栽培。浪江町を「花のまち」に。

NPО法人Jin 川村博さま

町の面積の約8割が帰還困難区域に指定されている浪江町。この町で、震災後から花卉栽培に取り組んでいるのがNPO法人Jinの川村博さんです。川村さんは震災前、町で障害者や高齢者向けの福祉施設を運営していましたが、震災と原発事故による全町避難に伴い、通所事業を休止。それでも、川村さんは福島市・二本松市・本宮市でサポートセンターを運営し、仮設住宅で暮らす浪江町民を支援してきました。その中で、聞こえてきたのがお年寄りたちの「畑仕事をしたい」という声でした。2013年4月に浪江町の避難区域が再編され、町への出入りが可能になったタイミングで、事業所の隣に農園を造り、お年寄りたちに畑仕事をしてもらうと大喜びしてくれたそうです。「農業で浪江町を復興したい」と強く思うようになったそうです。

しかし、当初手掛けた作物からは基準値を上回るセシウムが検出されました。基準値以内に収まる野菜にしても、浪江町産ということで、どこのスーパーからも仕入れを拒否されてしまったそう。そこで、悩んだ末に活路を見出したのが出荷制限を受けていない花卉です。中でも、ブライダルや贈答用にも使われ、単価も高いトルコギキョウに目をつけました。福島県の営農再開支援事業の実証の場を提供しながら、2014年に初出荷。当初は決して高い値段がついた訳ではありませんでしたが、市場関係者からのアドバイスを生かすことで、徐々に品質を改善。次第に高価格で取引されるようになり、花卉栽培を軌道に乗せることができたそうです。

市場でも高い評価を受けるに至った川村さんですが、2016年には国際博覧会でも受賞歴のある長野県松本市の花卉栽培の第一人者の下に通い、更に高い栽培技術を学習。先生からは「私の教えた通りに造ることができたのは、川村さんだけだ」というお墨付きをいただきました。また、2017年には大田市場で卸売をしているフラワーオークションジャパンより、オリジナルブランド「Jinふるーる」のトルコギキョウが優秀賞として表彰を受けました。

川村さんは2017年に設立された「花・夢・創(はなむそう)みらい塾 浪江町花卉研究会」の会長に就任。町内で花卉栽培に取り組もうとしている農家や新規就農者に、その高い技術を伝えています。「近い将来の目標は、町としての花の出荷額1億円。UターンやIターンに関係なく 20 代、30 代の若い人が町に来て花を栽培してほしい。若い人たちと浪江町を花の一大産地にしていきたい」と川村さんは話してくれました。

相双地域をもっと知る

農業を始めた時の経営指標と始めるまでの流れをわかりやすくお伝えします。

経営指標
就農までの流れ

相談・お申込みはこちら

相双地域に興味を持った方は、まずはお気軽に相談ください。

相談・お申込み

※就農関係の問い合わせは各市町村までお願い致します。