【農業体験in福島県相馬地域】多彩な作物・研修先で学べる中期農業体験で得たものとは?体験者のリアルな声からひも解く農業体験の重要性

各自治体や地域団体などが実施する「農業体験」は、就農前に実作業や営農のあり方を学べる有意義な制度です。体験には2泊3日ほどの短期体験のほか、1週間以上の中期体験タイプがあり、ニーズに応じて選ぶことができます。そこで今回は、福島県相馬地域で10日間の農業体験に参加した次世代ファーマーにインタビュー。中期体験のメリットや学び得たことなど、リアルな声をお届けします。

目次

多彩な作物が育まれる福島県相馬地域

福島県浜通りの北部に位置し、阿武隈山系の彩りある自然に囲まれた温暖な地域として知られる福島県相馬地域。この恵まれた気候を生かし、管内ではトマト・ミニトマト、ブロッコリー 、ネギ、タマネギなどの野菜のほか、花き、果樹など多彩な農作物が栽培されています。未曾有の被害に見舞われた東日本大震災とそれに伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故から復興の歩みを続ける相馬地域では、地域農業再生の一環として新規就農者向けの農業体験を実施しています。その狙いは農家や農業法人で実際に作業をしながら就農イメージを具体化し、移住・就農につなげることです。農業体験ではどんなことを学べるのか、何ができるのか、初めて農業に携わる人にとっては気になるところ。そこで今回は、体験を終えたばかりの参加者に率直な感想をインタビュー。リアルな声を聞くことで、体験前の不安が解消されることでしょう。

農業体験は自分と向き合う時間。見えてきた目指すべき営農のかたち

農業体験者のBさん

福島県南相馬市出身のBさんは現在、茨城県の農業大学校で農業を学ぶ1年生。非農家出身ながら農業を志した理由には、「地域貢献」という大きな目標がありました。

「親戚や友達の家が農家だったので、農業は小さい頃から身近にありました。自然の中で作物を育てるその環境に憧れ、高校卒業後は農業大学校に進学。茨城県を選んだのは福島県以外の土地の農業情勢や栽培技術を知ることは、将来の営農に役立つと考えたからです」。

はつらつとした笑顔がすてきなBさんは夏休みの帰省を利用し、10日間の中期農業体験に参加。期間中は5カ所の個人農家や農業法人をまわり、多様な作物の農作業を体験しました。

「学校では穀物を選択しているため、園芸野菜について学べる機会はあまり多くありません。相馬地域は野菜や果樹などの栽培が盛んなので勉強になると思い農業体験に応募しました。ブロッコリーの苗の選別やタマネギの播種、ニラの収穫など栽培に直接かかわる部分を体験できたことはとても大きな収穫です。また、除草作業やイノシシ避けの電気柵の設置など、間接的な作業に携われたことも勉強になりました」。

複数の農家や農業法人で体験をしたことで、ほ場規模や作付品目に応じた営農の姿も学んだBさん。体験を通し、理想と現実のギャップを感じたこともあったと言葉を続けます。

「同じ作業を黙々とこなすこともあり、炎天下では体力的にも精神的にもキツいと感じることもありました。実際にやってみなければわからなかったことなので、とても良い経験になりました。また、複数の農家で学んだことで同じ作物でもさまざまな栽培方法があることを知りました。例えばブロッコリーの場合、荒井農産では、種を一つとしてムダにすることなく、全ての苗を大切に大きく育て、収穫につなげています。
別な農家では良い苗を見極め、それ以外の苗を間引くことでロス(機会損失)を減らし、安定経営につなげているそうです。ほ場の規模や考え方、収量に応じて、やり方は一つではないことを学びました」。

学校ではサツマイモやジャガイモなどを主に学んでいるBさんですが、今回、さまざまな露地野菜の栽培作業を体験したことで、視野を広げることができたとその成果に満足している様子。

将来の職業を考えたとき、自分の好きなことを楽しくやりたいという思いがあり、わたしにとってのそれは農業でした。もちろん、楽しいだけでは成り立たないけれど、今回、お世話になった農家のみなさんが笑顔で楽しそうに仕事をする姿を見ることで、改めて職業としての農業に魅力を感じました。露地野菜の奥深さや栽培技術など、体験してみなければわからなかったことも多く、どんな農業をやりたいのか、自分自身と向き合うことができたように思います。夏休みを返上してでも農業体験に参加して本当によかったです」。

農業体験の全行程を終え、充実した表情を見せるBさん。相馬地域での就農を目標に掲げ、残り1年半の学校生活へと戻るその背中からは、就農への揺るぎない覚悟が感じられました。

地域で支え合う南相馬の農業を伝えたい

有限会社荒井農産 林崎江美(はやしざき・えみ)さん

相馬地域の農業体験受け入れ農家のひとつ、南相馬市の有限会社荒井農産は、これまでも多くの体験者や研修生を受け入れ、担い手育成に尽力してきました。社長であるご主人を支える奥様の林崎江美(はやしざき・えみ)さんは、若い世代が農業に興味を持ってくれることが嬉しいと、率直な思いを話してくださいました。

「高齢化による担い手不足が深刻化するなか、若い人たちが農業に関心を持ってくれるのはとても喜ばしいことです。Bさんのように就農への目標が定まっている人もいれば、農業ってどんなことをやるの?と、素朴な思いで体験に参加する人もいます。みなさんに共通するのは素直で勉強熱心なこと。わたしたちの方が教えてもらうこともあるんですよ」。

広大なほ場でネギ、大根、キャベツ、ブロッコリーなどの露地野菜を栽培する荒井農産では、時期に応じてさまざまな作業を体験することができます。Bさんが訪れた8月下旬は畑の除草や大根、キャベツ、ブロッコリー、ネギの定植を実施。移植機に乗るBさんを指導する林崎さんの優しい表情が印象的です。

農家は地域と支え合うことで成り立つ仕事です。それぞれが独立していますが、同じ作物を作っていれば情報交換をしたり、農機具の貸し借りをしたりすることもあります。農業体験は限られた時間ではありますが、できるだけ多くの人と触れ合い、風習や気候風土など、この土地が自分に合っているかを肌で感じてもらえたら嬉しいですね」。

荒井農産での体験中、Bさんがサツマイモを勉強していると聞き、近隣のサツマイモ農家を紹介した林崎さん。実際の生産現場を見ることができたとBさんも声を弾ませます。

学校の試験的な畑とは違い、品質や収穫量を重視した栽培はとても勉強になりました。何より、突然の訪問にもかかわらず、あたたかく迎え入れてくださったことがうれしかったです。心根の優しさや人のあたたかさに触れることができ、改めて南相馬市の良さを実感しました」。

秀品作物のみならず、心も育てる南相馬市。寄り添い、支えあいながら地域農業の再生に取り組むその姿は、新規就農者の指標にもなることでしょう。

短期から中期まで。ニーズに応じた農業体験を実施中!

福島県相馬地域が実施する農業体験では、1カ所の体験先で集中的に学ぶ方法と、Bさんのように複数の体験先で異なる作物を体験する方法を選択することができます。コースはスケジュールや希望に合わせ、「2泊3日からOKの短期体験」「しっかりじっくり学べる14日間の中期体験」の2コースから選べます。

農業に興味はあるけれど何から始めてよいのかわからない人から、本格的に農業を学びたい人まで幅広いニーズに対応している福島県相馬地域の農業体験。体験を通し、自身、そして農業の可能性を体感してみてはいかがでしょう。
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