相双地域で新に農業を始める方におすすめする品目です。
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それぞれの品目ごとの経営指標がご覧になれます。
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トマト・ミニトマト(ナス科)
露地野菜や葉菜類よりも収益性が高く、力仕事が少ないです。
ほ場選定ポイント
日当たりと排水が良いほ場。用水を確保できると望ましい。
栽培ポイント
① 中植え作型に購入苗を導入することで、水稲育苗後のハウスを利用して栽培することができる。
② 定植適期は1段目の花房の開花頃。
③ 主枝の1段目の花房直下から側枝を伸ばし、1~2本仕立てにする。
④ 3段目の花房の開花までは、活着・生育の劣る株を除きかん水を控え、その後徐々にかん水量を増やしていく。
耕種メモ
品種:(トマト) りんか409など
(ミニトマト) キャロルパッションなど苗:自家育苗もしくは購入苗
作業時間:10a当たりトマト726時間、ミニトマト1,102時間
作付目安:労力2人で10a前後
主な機械:果実選別機があると負担軽減効果が大きい
トマト 10aあたり販売指標 生産量(kg) 販売額(円) 所得(円) 10,000 2,580,000 846,461 ミニトマト 10aあたり販売指標 生産量(kg) 販売額(円) 所得(円) 5,000 2,425,000 1,175,901 -
イチゴ(バラ科)
冬期間の収穫のためハウス、暖房、電照が必要です。
ほ場選定ポイント
高畦にするので土層が深く通気性が良いほ場。湿気が多いほ場は排水溝等で排水性を高める。
栽培ポイント
①収穫期は低温、寡日照のため電照栽培により樹勢の維持が必要。
②親株定植時から炭疽病、うどんこ病、アブラムシ、ハダニ、アザミウマ類等の病害虫の適期防除。
耕種メモ
品種:とちおとめ、さちのか
苗:親株を購入し自家育苗
作業時間:10a当り 1,730時間
作付目安:労力2人で 20a前後
主な機械:畦立機、暖房機、動噴等
促成栽培 10a当り販売指標 生産量(kg) 販売額(円) 所得(円) 5,000 4,770,000 1,365,023 -
ニラ(ヒガンバナ科)
栽培が容易で、株養成をしておけばいつでも収穫可能です。
ほ場選定ポイント
肥沃で排水の良いほ場。在ほ期間が長いため、深耕して根張りを良くする。
栽培ポイント
①1年目も収穫しますが、株を大きく養成して2年目から収穫する。
②除草による通風改善と、適期の追肥を徹底する。
③連作により腐敗病や株腐細菌病、ネダ二などの被害が大きくなるので計画的な輪作を心がける。
耕種メモ
品種:ハイパーグリーンベルト(秋冬ニラ)、パワフルグリーンベルト(夏ニラ)など
苗:自家育苗
作業時間:10a当たり 581時間
作付目安:労力2人で 30a前後
主な機械:管理機、は種機、移植機など
10aあたり販売指標 生産量(kg) 販売額(円) 所得(円) 2,800 1,400,000 563,113 -
カスミソウ(ナデシコ科)
収穫後、越年することでもう一度収穫できます。
ほ場選定ポイント
夏季冷涼な山間高冷地から中山間地が適する。排水通気の良い、日当たり良好な条件が望ましい。
栽培ポイント
①ハウス栽培または雨よけ栽培が基本。
②購入苗を定植し、定植年は3~4本に、越年後は5~6本に仕立て収穫する。
③病害虫発生を防ぐため定期的な防除を行う。
耕種メモ
品種:ベールスター、アルタイルシリーズ
苗:購入苗
作業時間:10aあたり292時間
作付目安:労力2人で50a前後
主な機械:管理機、動噴等
夏秋どり 10a当り販売指標 生産量(本) 販売額(円) 所得(円) 20,000 1,380,000 380,000 -
トルコギキョウ(リンドウ科)
栽培管理に手間を必要としますが、高単価が狙える品目です。
ほ場選定ポイント
通気性、排水性がよいほ場
栽培ポイント
① ハウス栽培が基本。ハウス開口部には防虫ネットを設置し、害虫の侵入を防止する。
② pH6~6.5に調整し、土壌診断に基づく適切な施肥を行う。
③ 生育適温である昼温25℃、夜温15℃を目安に管理する。
④ 高温期はチップバーンや短茎開花、枝不足が発生しやすいので、遮光幕の設置など高温対策を実施する。
⑤ 斑点病、灰色かび病、アザミウマ類、アブラムシ類等の発生に注意し、適期防除に努める。
耕種メモ
品種:ハピネスホワイト、ボンマリン等
苗:自家育苗(または購入苗)
作業時間:10a当り 882時間
作付目安:労力2人で 20a前後
主な機械:管理機、防除機等
10aあたり販売指標 生産量(本) 販売額(円) 所得(円) 20,000 2,460,000 958,300 -
コギク(キク科)
初期投資が少なく、販路も安定しています。
ほ場選定ポイント
通気性、排水性がよいほ場
栽培ポイント
① 露地栽培の花きです。
② 需要が高く、高単価が付く、お盆・お彼岸向け出荷を目指します。
③ 生育期はおよそ1週間おきの病害虫防除(農薬散布)が必要です。
④ JAふくしま未来で選花場を完備しているため、個人での選花機の導入は不要です。
⑤ 新規栽培者が増えており、令和4年は相馬市・南相馬市で20名以上が新たに作付けしました。
耕種メモ
品種:JA保有品種
苗:JAより移譲の後、自己育苗
作業時間:10aあたり511時間
作付目安:従事者2名で50a前後(収穫期等は要臨時雇用)
主な機械:トラクター、防除機、管理機、伏せ込み用パイプハウス(無くても可)
10aあたり販売指標 生産量(本) 販売額(円) 所得(円) 28,000 1,100,000 600,000 -
ネギ(ヒガンバナ科)
年間を通して栽培可能な品目です。
ほ場選定ポイント
土層が深く通気性がよいほ場。湿気が多いほ場は排水溝等で排水性を高める。
栽培ポイント
① 酸性土壌を嫌うので、苦土石灰等を全面に散布してpHを調整する。
② べと病、アザミウマ、ネギコガ等の病害虫の適期防除。
耕種メモ
品種:(夏どり) 羽緑一本太、(秋冬どり)夏扇4号
苗:自家育苗
作業時間:10a当り 夏秋どり191時間、秋冬どり306時間
作付目安:労力2人で 80a前後
主な機械:管理機、調整機、定植機等
夏秋どり 10a当り販売指標 生産量(kg) 販売額(円) 所得(円) 2,000 548,000 175,396 秋冬どり 10a当り販売指標 生産量(kg) 販売額(円) 所得(円) 3,500 913,500 446,565 -
ブロッコリー(アブラナ科)
産地として認知されているので市場等への有利販売が可能です。
ほ場選定ポイント
日当たり良く、排水の良いほ場
栽培ポイント
① 根こぶ病対策としてアブラナ科作物を連作しない
② がっしりした苗づくり
③ ネキリムシ、アオムシ、コナガ等の病害虫防除の徹底
耕種メモ
品種:(初夏どり)おはよう、(秋冬どり)沢ゆたか
苗:自家育苗
作業時間:10a当り 夏秋どり72時間、秋冬どり84時間
作付目安:労力2人で 1ha前後
主な機械:移植機等
10aあたり販売指標(初夏どり) 生産量(kg) 販売額(円) 所得(円) 1,200 339,600 88,487 10aあたり販売指標(秋冬どり) 生産量(kg) 販売額(円) 所得(円) 1,000 326,000 109,735 -
タマネギ(ヒガンバナ科)
は種や定植、収穫作業を機械化することができます。
ほ場選定ポイント
保水性、通水性がよく、有機質に富んだほ場。
栽培ポイント
① 通気、排水性の良い土づくり(深耕と堆肥の投入)。
② 窒素の遅効きは病害の増加を招くため、多肥や追肥の遅れに注意する。
③ 適期収穫に努める(過半数が倒伏してから2週間後までに収穫する)。
④ 秋まきの場合、大苗を定植すると、春先に抽苔するため早まきしない。
⑤ 春先~収穫までの除草と病害虫防除の徹底。(春まきは特に注意が必要)
耕種メモ
品種:ターザン、浜の輝、もみじ3号、レッドグラマー
苗:自家育苗
作業時間:10a当り 150時間
作付目安:労力2人で 1ha前後
主な機械:は種機、移植機、収穫機、ピッカー等
10aあたり販売指標 生産量(kg) 販売額(円) 所得(円) 5,000 350,000 40,744 ※ 経費については大規模経営(10ha程度)または機械の共同利用を前提としている。
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サツマイモ(ヒルガオ科)
は種や定植、収穫作業を機械化することができます。
ほ場選定ポイント
保水性、通水性がよく、有機質に富んだほ場。
栽培ポイント
① 通気、排水性の良い土づくり(深耕と堆肥の投入)。
② 定植直後に萎れると芋の形が悪くなるのでかん水をこまめに実施する。
③ 窒素が多すぎるとつるぼけするので注意する。
④ サツマイモは過湿に弱いので、ほ場に水が滞留しないように整備する。
耕種メモ
品種:こがねせんがん、紅はるか 等
苗:自家育苗
作業時間:10a当り 70時間
作付目安:労力2人で 2ha前後
主な機械:移植機、収穫機等
10aあたり販売指標 生産量(kg) 販売額(円) 所得(円) 3,000 302,400 82,032 ※ ※ 経費については大規模経営(10ha程度)または機械の共同利用を前提としている。
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ブドウ(ハウス栽培)
水稲育苗用ハウスや使用していないハウスを有効活用できます。
ほ場選定ポイント
保水性、通水性がよく、有機質に富んだほ場。
栽培ポイント
① 水稲等との複合経営を前提とする。
② ハウスの温度管理(高温対策)が重要。天窓等の設置により対応する。
③ ハウス栽培で防虫ネットを設置すると農薬の使用回数の削減が可能。
④ 短梢せん定を行う事で、水稲育苗と両立が可能。
耕種メモ
品種:あづましずく、ピオーネ、シャインマスカット等
作業時間:10a当り280時間
作付目安:1a(3間×10間)※現地実績
主な道具:動噴、せん定ばさみ、テープナー等
1aあたり販売指標 生産量(kg) 販売額(円) 所得(円) 100 100,000 81,400 ※労賃等は含まない。
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日本ナシ(バラ科)
既存のほ場や樹を受け継いで始められます。
ほ場選定ポイント
保水性、通水性が良く、有機質に富んだほ場
栽培ポイント
① 経済寿命が30~40年と長い
② ジョイント栽培を導入することで植え付けから収穫までの期間を短縮できる(通常7年→3年)
③ 春先~収穫までの除草と病害虫防除の徹底。(黒星病、ナシヒメシンクイは特に注意が必要)
耕種メモ
品種:幸水、豊水、あきづき、新高等
苗:購入苗
作業時間:10a当り222時間
作付目安:労力2人で1ha前後
主な機械:スピードスプレイヤー、乗用草刈り機、トラクター
10aあたり販売指標 生産量(kg) 販売額(円) 所得(円) 2300 763,000 317,700 -
水稲
将来的に大規模農業にチャレンジしたい方への参考に載せています。
耕種メモ
品種:天のつぶ、ひとめぼれ、コシヒカリ
苗:購入苗
作業時間:10a当り 12時間
作付目安:オペレータ2人で20ha前後
主な機械:トラクター2台、田植機、コンバイン
(※:育苗は育苗センター、乾燥はCEへ委託)10aあたり販売指標 生産量(kg) 販売額(円) 所得(円) 545 111,905 23,382 (※)販売単価(R3年概算金)
(天のつぶ1等)8,500円/60kg
(ひとめぼれ1等)8,700円/60kg
(コシヒカリ1等)9,500円/60kg -
大豆
大規模向けの水田転作作物。湿害回避が必須です。将来的に大規模農業にチャレンジしたい方への参考に載せています。
栽培ポイント
① 排水対策の徹底(明渠+弾丸暗渠で湿害防止)。
② は種時期によっては種量が増減する。
③ 雑草対策は除草剤の体系処理と中耕・培土。 → 雑草に応じた除草剤の選択。
④ 緩効性肥料により追肥は省略可能。
⑤ カメムシと紫斑病対策は必須。
⑥ 適期刈取で品質低下を防ぐ。
⑦ 放射性物質吸収抑制対策を徹底する。 → カリ資材(硫酸カリ)施用の徹底。
耕種メモ
品種:里のほほえみ等
は種:条は
作業時間:10a当り 10時間
作付目安:労力2人で15ha前後
主な機械:は種機、汎用コンバイン、乾燥機等
10aあたり販売指標 生産量(kg) 販売額(円) 所得(円) 所得+交付金(※) 210 35,893 -17,012 52743 (※1) 水田活用の直接支払交付金(R4単価):35,000円/10a
(※2) 畑作物の直接支払交付金(R2~R4単価):9,930円/60kg
(※3) 市町村により産地交付金の上乗せがある場合があります。
(※4) 販売単価:123円