【JAふくしま未来】新規就農者の心強い味方。地域の担い手を多角的にサポート
平野部に美しい水田地帯が広がる福島県相馬地域。多くの農家が水稲を主力作物としており、福島県奨励品種のお米『天のつぶ』の生産とブランド化にも力を注いでいます。地元農家を支える『JAふくしま未来そうま地区』では、将来的な担い手確保に向け、新規就農しやすい環境づくりに着手。今後、新規就農者たちに農業の魅力を訴求するため、農家の所得アップをはじめとする、様々なサポートを展開していきます。
目次
- 福島県奨励品種『天のつぶ』の栽培を通じ、品種のブランド化にも力を注ぐ
- 2009年に集落営農組織を立ち上げたベテラン農家が語る未来のそうま地区
- 遊休農地となっていた場所で、食味のよいネギを育てることに成功
- 地元農家を手厚く支援するJA 担い手不足の解消、風評被害対策にも奔走
福島県奨励品種『天のつぶ』の栽培を通じ、品種のブランド化にも力を注ぐ
『JAふくしま未来そうま地区』では、福島県の相馬地区(相馬市・南相馬市・新地町・飯舘村)の4市町村を管轄しています。相馬地区では水稲を基幹作物としながら、水田を活用して麦、大豆、ブロッコリーなども栽培しています。水稲では、従来『コシヒカリ』や『ひとめぼれ』を栽培してきましたが、ここ数年は県奨励品種の『天のつぶ』の生産とブランド化に力を注いでいます。
相馬地区で長年、農業に従事してきた齋藤忠一さんも『天のつぶ』を栽培するひとり。「全国的にコシヒカリは生産過剰気味なんです。これからの農業は単に作るだけでなく、市場のことも考えていかなければならない。そうした時、独自色を出すには福島県の奨励品種でもある『天のつぶ』の栽培、そしてブランド化へ力を注いで行くのがよいだろうと思いました」。
齋藤忠一さん
2009年に集落営農組織を立ち上げたベテラン農家が語る未来のそうま地区
『天のつぶ』は、『コシヒカリ』などと比較して販売価格こそ低いですが、農家にとっては様々なメリットがあります。特徴的なのが収量の多さで、10aあたりの単収は『コシヒカリ』と比べて30~60kgほど多く、多収による所得の向上が期待できます。また、耐倒伏性に優れ、白未熟粒やいもち病も発生しにくいといったメリットも併せ持ち、安定した品質と収穫が期待できる品種です。何より福島県の奨励品種ということで、地元農家としても栽培してモチベーションの上がる品種。「『天のつぶ』は、価格が手頃で業務用米(飲食店など)としてもニーズが高い品種です。食べ応えのあるしっかりとした食感が特徴で、粒がそろった美しいお米です」と齋藤さん。
ただ、米だけの栽培では、これまでの農家のスタイルと変わりません。後継者不足に悩む地元農家のためにも、新規就農者の受け入れに向けた課題を何とかしたい、というのが齋藤さんの願いなのです。「後継者不足で耕作放棄地が増えていくのを黙って見過ごすことはできません。そこで2009年に有志を募り、集落営農組織を立ち上げました。また米だけでは、農家の収入増にはなっていきませんので、新たに収入の糧となるものをと、秋冬ネギの栽培にもこぎ着けました」。齋藤さんは、農家をやって一般的なサラリーマンよりもよい給与が得られるくらいにならないと、今後の新規就農者は増えていかないのではないかと危機感を持っています。
遊休農地となっていた場所で、食味のよいネギを育てることに成功
福島県でネギ栽培というと、以前から知られているのはいわき市。そのほかのエリアでは、ネギ栽培はあまり盛んではありません。東日本の主産地も、千葉、埼玉、茨城といった関東圏に集中しています。「今のネギは品種改良もされ、また栽培方法が進歩したこともあり、ある程度排水のよい土地であれば作れるだろうと思って、ネギに目をつけたんです」。と齋藤さん。まずは自身で栽培してみようと、雑草だらけであった遊休農地をなんとか平らにし、ネギ栽培をスタート。ようやく3年目に土が良くなり、おいしいネギが収穫できるようになりました。「ネギは田植えが終わった5月下旬から6月に植えて、米の収穫が終わった11月からの収穫というサイクル。米農家にとって負担が少なく、収益を上げられる野菜なんです」。齋藤さんは自身の経験から、少人数で作業を行う農家の負担が多ければ、長く栽培を続けていけないと考えていました。今では、齋藤さんの作るネギの「おいしさ」が評判となり、各所から引き合いが多くなっています。地域全体の農業を活性化させたい、そのために新規就農者にとって魅力ある農業ができる環境にしていきたい、そうした齋藤さんの思いは、少しずつ相馬地区に広がっています。
地元農家を手厚く支援するJA 担い手不足の解消、風評被害対策にも奔走
相馬地区にあるJAふくしま未来鹿島総合支店
齋藤さんのような、地元農業の未来を考え行動している中核農家や新規就農者が安心して農業ができるよう支援しているのが『JAふくしま未来そうま地区』です。震災から8年以上が過ぎ、その影響は少なくなったとはいえ、風評被害が完全になくなったわけではありません。その対策として、安全・安心の確保に向けて、農畜産物の放射性物質検査を実施。現在も管内で生産されたすべての米に対して全量全袋検査を行い、野菜や畜産肥料、直売所で販売される農産物全品目に対しても非破壊検査を実施しています。「安心・安全」を提供するための強い姿勢を打ち出し、風評の払拭に努めています。
また、高齢化が進み農業の後継者不足が急速に進んでいる状況を改善しようと、新規就農者への助成金事業をJA独自に行っています。個人の場合で就農から5年以内に設備投資にかかる費用の2分の1(50万円を上限とする)を助成。このほか、新規就農者をサポートする交流イベントも開催、地域ぐるみで生産者同士がアドバイスしやすい環境作りを行っています。栽培のプロフェッショナルである中核農家と、農家を支援するJAふくしま未来そうま地区。こうした存在が、新規就農者たちにとっても心強いことでしょう。
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【問い合わせ先】
JAふくしま未来 そうま地区 農業振興課
〒979-2442
福島県南相馬市鹿島区横手字川原185-1
TEL 0244-67-2702