【JAふくしま未来 そうま地区本部】「咲かそう、そうま」を合言葉に、農業生産基盤の整備により、農業復興を土台から支える。
営農指導をはじめ、多角的な面から地域の農業をサポートするJA。東日本大震災で被災した4市町村を管轄する『JAふくしま未来 そうま地区本部』が全量・全品目検査をはじめ、復旧・復興に向かって行ってきた取り組みや、今後の農業の担い手支援における取り組みを取材しました。
目次
- 『天のつぶ』など水稲を基幹産業に、園芸から畜産まで多様な農業が営まれる相馬地区を管轄。
- 全量・全品目検査体制で、農畜産物の「安心・安全」を守り、営農再開を後押し。
- 「咲かそう、そうま」を合言葉に、復旧・復興に力強く貢献を果たす。
- 新規就農者に助成金事業などで支援。子会社での就農希望者も募集中。
『天のつぶ』など水稲を基幹産業に、園芸から畜産まで多様な農業が営まれる相馬地区を管轄。
JAふくしま未来は、2016年に福島県の中通り北部と浜通り北部の市町村を管轄する4つのJAが合併して誕生した広域JAで、管内面積は福島県全体の19%を占めており、正准合わせた組合員数は9万5000人超、総生産額は2兆1400億円超(震災前の2010年)と東日本でも最大クラスの規模を誇っています。その中で、相馬地域の相馬市・南相馬市・新地町・飯舘村の4市町村を管轄するのがそうま地区本部です。
地区の特徴として、沿岸沿いの平坦部では降雪が少なく温暖な気候を利用して、水田を中心とした大規模な土地利用型農業が広がっていること。水稲を基幹作物として、福島県奨励品種の米『天のつぶ』の生産とブランド化にも力を注いでいます。また、麦や大豆、ブロッコリー、ニラ等の生産も盛んです。対して、阿武隈山間部では冷涼な気候となり、高原野菜や花きの他、畜産が盛んに行われており、肉牛のブランド化など畜産振興による産地形成が図られてきました。
大粒でしっかりとした食感の「プレミアム天のつぶ」
全量・全品目検査体制で、農畜産物の「安心・安全」を守り、営農再開を後押し。
2011年の東日本大震災および福島第一原子力発電所事故により、甚大な被害を受けた相馬地区。管内の水田面積1万2060haのうち、約80%にあたる9760haが津波によるかん水や原発の被害を受けました。しかしながら、震災のあった2011年には1690haまで減少した作付面積も、2017年には4681haまで回復し、徐々にではありますが、着実に営農再開は進んでいます。
その中で、JAは農畜産物の放射性物質検査を実施することでも地域の復興に貢献しており、管内から、食品の安全基準値を超える農畜産物を流通させないことを目標に、米はくず米を含む管内で生産されたすべての米に対し、全量全袋検査を実施しています。また、野菜や畜産飼料、土壌等の放射性物質検査や、直売所で販売される農産物の全品目に対しても非破壊検査を実施しています。全量・全品目検査で、地域の農畜産物に対しての「安心・安全」を提供するなど風評被害の拡大を防ぐことにも一役買っています。
地域の農作物で料理する子どもたち
直売所 旬のひろば
「咲かそう、そうま」を合言葉に、復旧・復興に力強く貢献を果たす。
東日本大震災では、JAふくしま未来自身もおびただしい被害を受けました。各事務所をはじめ、米・資材倉庫、カントリエレベーター・ライスセンター、加工所、直売所など、地域内の87施設が全壊ないし一部損壊。それらの施設の修繕、解体、再建の見積もり費用は約34億円にものぼりましたが、JAグループの復興・再建義援金をはじめ、各連合会支援金、行政補助金、団体建物火災共済金を活用して、計画的に復旧を遂げ、80%以上の復旧が完了。これから本格的に進む、地域の農業の本格的な復興を支えられる体制を整備してきました。
また、これまでの復旧にあたっても、津波被災農地におけるガレキ拾いや、無人ヘリコプターによる除草剤散布、塩分濃度を下げるための耕起・代掻き作業、土改剤の散布。放射性物質被災農地の土壌改良材の散布作業、表層の放射性セシウムを深層に閉じ込める反転耕や、表土の除去などに、指導的役割を果たしてきました。JAふくしま未来は、「咲かそう、そうま」を合言葉に、いずれはハナとなり実を結ぶ「タネ」まきとして、さらにピッチを上げて、復旧・復興対策を進めています。
新規就農者に助成金事業などで支援。子会社での就農希望者も募集中。
相馬地区で現在大きな課題となっているのが、農業の担い手不足。震災の影響もあって、高齢化が進んでいた担い手の離農が進行しています。JAふくしま未来でも担い手育成給付金を策定し、個人の場合で就農から5年以内に、設備投資にかかる費用の二分の一(50万円を上限とする)を助成する事業を展開するなど新規就農を支援しています。また、各品目ごとに生産部会を組織し、地域の生産者同志がお互いに助言しあえるような環境もつくっており、新規就農者でも周囲からサポートを受けやすい環境です。
JAふくしま未来の皆さん
さらには、農地の集約化の必要性により、農業生産法人などによる組織化、大規模化が必要とされている状況にあって、JAふくしま未来も耕作放棄地などを請け負う子会社の農業生産法人『アグリサービスそうま』を設立。地域の農業のプレイヤーとしても活躍しています。アグリサービスそうまでは、新たな担い手を募集していますので、安定した環境の下で、農業に取り組みたい、学びたいという方の希望に添える働き方も実現できるのではないでしょうか。
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【問い合わせ先】JAふくしま未来
そうま地区 農業振興課
〒979-2442
福島県南相馬市鹿島区横手字川原185-1
TEL 0244-67-2702
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