【農業体験in福島県浪江町】憧れを“現実に”。農業体験を通して見えてきた目指す営農スタイルと農業の可能性。
新たな担い手確保を目的に、福島県相双地域で実施している農業体験制度。新規就農を見据えている人はもちろん、職業選択の一つとして農業を検討している人など、幅広いニーズに対応した制度です。今回の体験者は関西出身のカップル。浪江町で高品質な花き栽培に取り組む特定非営利活動法人である『NPO法人Jin』での2泊3日の体験は、2人に農業の楽しさと可能性を感じさせた、実りあるものとなりました。
目次
なぜ、あなたはここに?福島県浪江町を選んだ理由
以前から職業としての農業に興味があったという兵庫県出身のDさん。今回、福島県相双地域が実施する農業体験制度を知ったのはなんと、偶然お兄さんが見た、インターネット配信番組だったそうです。
兵庫県出身のDさん
「前職を辞めた後、農業への従事を真剣に考えるようになりました。そんなとき、Jinが出演したネット配信番組を見た兄が、福島県で高品質な花き栽培を行なっているNPO法人があることを教えてくれたのがJinを知ったきっかけです。調べてみるとJin では農業体験制度を実施していることがわかり、非農家出身のわたしにとってその制度は夢を実現させる最初の一歩になると思い、農業体験制度に申し込みました」。
知人のタマネギ農家やキャベツ農家で手伝いをしたとき、農作業を楽しいと感じたDさん。収穫の喜びや、生産者の思いを感じたことで、農業への関心が日に日に強くなっていったとのこと。そんなDさんの姿を近くで見ていたのがパートナーのEさんです。自身も将来の職業を模索していたこともあり、カップルで浪江町にやってきました。
DさんのパートナーであるEさんは大阪府出身
「正直、農業のことはよくわかりません。でも、やってみないとわからない。彼女が夢中になる農業を自分も体験してみようと、参加を決めました」
2人がやってきた福島県浪江町は東日本大震災以降、トルコギキョウをはじめとした花き栽培が増えています。花きは食品ではないため、震災による風評被害を受けにくかったことがその理由です。農業体験制度の受け入れ先は高品質な花き栽培で“花のまち・なみえ”を盛り上げている『NPO法人Jin』。実際に作業を体験することで、農業への思いはどのように変わっていったのでしょう。
作業だけではなく、「営農」についても学ぶことができた農業体験
『NPO法人Jin』では主にマリーゴールドの定植を体験。苗を一つずつ丁寧に植える作業は、かがむ姿勢が長時間続くため、体力的にキツい作業になるのでは?
マリーゴールドの定植作業を体験。『NPO法人Jin』のほ場には可愛らしいヤギの姿も。
「自分が植えた苗がやがて美しい花を咲かせることを想像しながらの作業は、しんどいと感じる以上にとても楽しかったです。スタッフのみなさんがとても親切に教えてくださったこともあり、2泊3日では足りない!もっとここで学びたいと思いました」
と、笑顔で話すDさん。どちらかというと彼女(Dさん)に付き添うかたちで体験に参加したEさんですが、ひとたび作業が始まると、Dさん以上に夢中になり、コツを覚えるのも早かったそうです。
「体験してみないとわからなかったことがたくさんあり、それは楽しさにもつながりました。就活の一環としてさまざまな企業のインターンシップに参加したことはありますが、こんなふうに実作業を体験できる制度はなかなかありません。参加して本当に良かったです」。
花の種類によっては育苗から手がけるNPO法人Jin。出荷の時を待つ美しい花にDさんとEさんもすっかり魅せられた様子
定植やほ場の雑草取りなどを体験した2人は、実作業と共にこれまであまり意識していなかった「営農」についても考えるきっかけになったと話します。
「農業は日の出から日没まで休みなく働くイメージが少なからずありました。でも、Jinの川村さんより、時間の使い方は自分次第。機械を使うことで省力化にもなることなど、職業として農業をどう考えるかが、営農には大切なことも知りました」(Eさん)。
“時間が限られた農業体験制度で、農業のすべてを学ぶことは難しいけれど、体験をきっかけに自分が目指す農業の方向性を見つけてほしい”そんな思いで農業体験を受け入れている『NPO法人Jin』。同法人の前代表・川村 博さんにこれからの農業に必要なことをお聞きしました。
これからの農業は「経営感覚」が大切。職業の一つに農業が選ばれる時代に
『NPO法人Jin』の前代表・川村 博さん
『NPO法人Jin』の前代表・川村 博さんは、学生を対象とした講演会やワークショップなどを通し、若い担い手を農業分野で確保するためには、働き方そのものの改善が必要と話します。
「農業分野は長く世襲制が続いてきました。家族経営なので労働時間や休日、賃金などがあいまいということもあり、農業は他の職種と肩を並べるのは難しいというのが正直なところでしょう。学生や若い世代に農業を選択してもらうには、8時間労働、週休2日制、大卒と同等の給与など、働き方から変えて行く必要があります」。
震災により、避難を余儀なくされた浪江町の住人は、震災前と比較し、約8%程度しか帰還していない現状です。地域の再生には産業が必要であり、花き栽培は町の復興にもつながると川村さんは話します。
「資質として農業に向いている、向いていないことはもちろんですが、農業に従事する人は経営感覚を持つことが大切です。経営面が安定すると規模拡大による雇用が生まれ、地域貢献にもつながります。農業体験では実作業だけでなく、営農への意識を少しでも感じ取ってもらえたら嬉しいですね」。
川村さんの営農のアドバイスを、真剣に聞く2人
DさんとEさんが浪江町を訪れたのは11月中旬。東北の冬の寒さを想定し、対策をしてきた2人ですが、浪江町の温暖な気候と空の高さ・大きさに驚いたと話します。
「作業中は汗ばむほどだったので、東北でもこんなに過ごしやすい地域があることにまずは驚きました。そして、なんといっても空の美しさ!見上げたとき、遮るものがない青い空を見たのは久しぶりです」(Eさん)
「とにかく空気が美味しいんです。ここで育つ花が美しいのも納得です。農作業の楽しさ、しんどさ、そして花き栽培の奥深さ、営農のあり方など、ほんの少しではありますが学ぶことができ、本当に参加して良かったです」(Dさん)
“就農への一歩は、農業体験から”。自身の経験を通し、そう教えてくれたDさんとEさん。「いつか、ハウス(ほ場)を2人で持ちたいね」と、楽しそうに会話をするそのほほえましい姿に、未来のファーマーを垣間見ることができました。
「2人でハウス(ほ場)」を持ちたいと夢を語るDさんとEさん
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