【福島県新地町】福島県の北の玄関口では、ブランド産地としてニラ栽培を積極的に推奨中

浜通り最北の県境の町・新地町。甚大な津波被害を受けた町では、現在復興が加速しており、駅前周辺部では今後の町のにぎわいを担う施設も相次いで建設が進められています。先進的なスマートタウンを目指す町ですが、農業は基幹産業として変わらずに注力。特に、ブランド産地として強力にプッシュしているニラ栽培を中心に、先輩就農者や町の担当者からお話を伺いました。

目次

分散型エネルギーシステム活用による地産地消型の復興まちづくり

福島県の浜通りの一番北に位置する新地町は、相馬市や宮城県の山元町・丸森町と隣接。おおよそ7km四方の小さな町には、『鹿狼山』を中心に阿武隈山地の北端にあたる山々が連なっています。年間の平均気温は12度前後と、東北地方でも比較的温暖で1年を通じて過ごしやすい気候です。冬でも雪が積もることはほとんどなく、町は東日本大震災で甚大な津波被害を受けましたが、2016年には常磐線も再開し、新地駅周辺の再開発も急ピッチで進んでいます。

町のシンボルとして親しまれている鹿狼山

町では、国の補助金を活用して、スマートコミュニティ導入促進事業を実施し、相馬LNG基地の天然ガスを活用して駅周辺施設に熱と電気を供給する、『新地エネルギーセンター』を整備しました。昨年2月には、町と民間企業と地方銀行の12団体が出資して『新地スマートエナジー株式会社』を設立し、2019年度よりエネルギー供給サービスを開始します。
将来は新地エネルギーセンターから農業生産施設にCO2を送る『トリジェネレーションシステム』の構築を計画しており、CO2排出の削減と共に作物の育成促進を図ります。

ニラのブランド産地化を進めるべく、町でも積極的に栽培を奨励

海・里・山の豊かな自然に恵まれた新地町では、昔から漁業や農業が盛ん。新地町沖の太平洋は親潮と黒潮がぶつかる潮目の好漁場として知られており、現在は東日本大震災の影響により試験操業ながら、地元の釣師浜漁港では、かれい、こうなご、ほっき貝など数多くの魚介が水揚げされます。

農業においては、稲作が中心ですが、野菜・果樹・花木などの複合経営を行っている農家も多く、そば、ニラ、大豆、ばれいしょ、いちじく、りんご、トマトなども栽培されています。とりわけ、ニラは町の特産品として知られており、町でもブランド産地として栽培を積極的に推奨し、ニラを使ったギョーザやかりんとうなどの6次化商品の開発も行われています。

また、2018年には津波の被害を受けた海岸部に新たに整備された防災緑地にも、みかんの苗木が植樹され、りんごとみかんが共に栽培される珍しい地域となりました。

経営計画が立てやすいニラ栽培で、若手就農者も意欲的にノウハウを吸収

町では、30軒弱の農家がニラ栽培を営んでおり、震災後に生産が落ちましたが、回復も順次進み、生産高1億円品目とすることを目指しています。約2haの農地でニラ栽培を自ら手がけると同時に、県が認定する指導農業士としても活躍する加藤博さんは、「ニラはハウスで通年で栽培できることにくわえて、収穫時期を管理しやすいことが特徴。生育のシミュレーションがしやすく、計画生産ができるので、経営的な見通しも立てやすいです。台風の影響を受けることも少なく、新規就農者でも参入しやすいと思います。」と話してくれました。

(左)加藤博さんと(右)目黒良樹さん

その加藤さんの下で、実習生としてニラ栽培のノウハウを学んでいるのが目黒良樹さんです。目黒さんは実家が町内で農業を営んでいるが、来たるべく自立就農を見据えて、ニラ栽培を勉強しているそうです。「農業は大変なことも多いですが、手をかけた分だけ結果がついてくるのが分かるので、やりがいを感じています。」と、目黒さんはニラでの新規就農に向けて手応えを語ってくれました。

各種の移住・定住支援策を整備。まったくのイチから新たな町づくりに加わる醍醐味も

新地町では、新たな町づくりの担い手、そして、基幹産業でもある農業の担い手を強力にバックアップする体制を整備。とりわけ、育児・教育には力を入れており、町直営の町立保育所を3カ所に開所。同時に2人以上入所している場合には、2人目以降の保育料を無料としています。医療面では、子供の診療の自己負担額を町が助成。高校生までの医療費無料を実現しています。また、ICT教育を推進しており、3つの小学校と中学校1校では、1人1台のタブレット端末と、全教室に電子黒板等を配備。町の未来を担う子供たちに、先進的なICT機器を活用した教育を展開しています。

「開発が進む新地駅周辺では、複合商業施設や、交流センター、温浴施設なども建設中です。新規就農者に対しても、町の農業委員会をはじめ、さまざまな相談に応えられるサポート体制がありますので、共に新しい新地町を創造しましょう!」と、町の担当の黒沢さんはメッセージを寄せてくれました。

仙台市からも車で約50分とアクセス抜群の新地町では、農業と同時に、イチからの町づくりに加わる醍醐味も味わえそうです。

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【問い合わせ先】福島県新地町 農林水産課
係長 黒沢 賢ニ
〒979-2792
福島県相馬郡新地町谷地小屋字樋掛田30番地
TEL 0244-62-2194
Mail: norinsuisan@town.shinchi.lg.jp
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