相双地域で実際に就農した方や先輩就農者にインタビューしてみました。農業経験がまったく無かった若い力も続々と活躍しています。
花き研究会のメンバー一丸体制を武器に、高品質なトルコギキョウを出荷
鈴木好道さま
大田市場で高評価を得ているトルコギキョウを生産した鈴木好道さん。震災前は浪江町で婦人服製造の会社を経営していましたが、避難指示が出されたことにより、会社を休業させることに。その後、数年間は培ってきた経験を生かして、インドネシア、中国、ミャンマー、ベトナムなどの海外各国で婦人服製造に関する技術指導を行ってきました。
本格的な農業経験のなかった鈴木さんが花き栽培に取り組むことになったきっかけは、幼なじみでもある同じ浪江町の川村博さんが震災後花き栽培を始め、非常に高い評価を受けるトルコギキョウを生産していたこと。「幼なじみが育てた花を見て、感動しました。そして、自分もこんな綺麗なトルコギキョウを育てたいと思うようになりました」と鈴木さん。川村さんが中心となって設立した「浪江町花き研究会」に参加し、イチから技術を学んで、新たにチャレンジする意を決しました。
現在、約3.3aのハウスで花き栽培を営んでいる鈴木さん。2018年10月に初めてトルコギキョウを定植し、2019年6月の初出荷でいきなりトップクラスの評価を受けたそうです。「(トルコギキョウを育てる)ポイントは大きくふたつ。ひとつは、双葉農業普及所の指導を受け土壌分析のデータを活用しながら栽培できたこと。もうひとつは、圃場環境モニタリングサービス(ハウス内の温度、湿度などをリアルタイムで測定でき、それを花き研究会のメンバーと共有できるサービス)を活用できたこと。
研究会のメンバーから様々なアドバイスをもらえました。まさに研究会のみんなでの情報共有の賜物です」と秘訣を話す鈴木さん。「浪江町は日照時間も長いので、花の生産に適した地域。風評被害に負けない綺麗な花を育てて、『花のまち なみえ』のブランドをつくっていきたいですね」と、今後の目標を語ってくれました。