相双地域で実際に就農した方や先輩就農者にインタビューしてみました。農業経験がまったく無かった若い力も続々と活躍しています。
ビジネスとして農業に向き合いたい!仲間と共に悩み、奮闘する充実の日々
(有)I Love ファームおだか 戸津政紀さま
福島県南相馬市でブロッコリーの生産販売を行う、(有)I Love ファームおだかの戸津政紀さん。 同社では今年度、51haのほ場、16棟のハウスで、定植機やロボットトラクターなど大型機械、ドローンによる個体識別システムなどを導入した機械化農業を行っています。
学生時代から「将来は実家の農家を継ぎたい」との思いを抱いていた戸津さんは、社会勉強のため北海道の農業法人で1年間、ブロッコリー栽培等を経験。 晴れて2012年、北海道和寒町の実家で就農を果たしましたが、「もっとシビアに収入面などを考えながら、ビジネスとして農業に取り組みたい」との思いが日増しに強くなり、雇用就農の道で生きていく決意を固めました。 前職での縁故もあり、南相馬市に転籍して(有)I Love ファームおだかに入社した戸津さん。現在、仲間と共に働く事ができる環境に満足していると言います。
ブロッコリーの播種から育苗、定植、管理、収穫、選果、出荷まで、全ての工程に関わる戸津さんの現在の目標は、生育を揃える技術を習得すること。 「生育にバラツキが出ると、同じほ場に3〜4回収穫に入らなければならないんです」。均一に生育すれば収穫作業は一度で済み、作業効率が劇的にアップします。発芽状況、定植後の生育の状態、畑の地力などバラツキの原因は複雑で、対策も難しいとのこと。そのため(有)I Love ファームおだかでは、シーズン毎に必ず全員で反省会をします。 春蒔きと秋蒔き合わせて7品種を扱っているため、資料を読んだりネットで調べたり、常にブロッコリーのことを考えていると、戸津さんは話します。
「簡単じゃないからこそ、自分の考えた対策が認められ、実際に効果が出た時は言葉になりません。収穫できた時の喜びもひとしおです」。仲間と課題を共有し、悩みながら試行錯誤するのも農業のやりがいの一つだと言います。 「美味しいブロッコリーを作りたい、収量をもっとアップさせたいと全社員が一つになって高め合う喜びは、実家を継いでいたら味わえなかったと思います」と、仲間と共に大規模農園で働く魅力について話してくれました