相双地域で実際に就農した方や先輩就農者にインタビューしてみました。農業経験がまったく無かった若い力も続々と活躍しています。
大好きな地元で根を生やして働きたい!新地町で育む“コギク”と“地域愛”
荒 泰教さま・裕子さま
福島県の北の玄関口と呼ばれる新地町。そこでコギクやスプレー菊等の露地花き栽培を行う荒さんご夫婦。夫・泰教さんが就農されたのは48歳の時でした。こどもたちも大きくなり、子育てがひと段落したタイミングで、大好きな新地町で地域に貢献できる仕事はないかと考えたそうです。「子どもの頃からずっと、地元である新地町が大好きで、かねてから将来はここで根を生やして働きたいと思って、タイミングを考えていました」と語る泰教さんは、まず勤めていた町外の企業を辞め、ハローワーク等に通い、また地元の方々や町役場の職員さん、JA職員さんなど様々な方に相談をしたそうです。いろいろな方に話を聞く中で、「新規就農制度の年齢制限が、以前定められていた45歳以下から49歳以下に引き上げられた」「新規就農者向けに様々な支援制度がある」ということを知り、48歳で新しく農業に挑戦できるチャンスがあることがわかり、自分の想いとタイミングが一致した令和元年に就農を決意されました。
最初は農機具や資材も何もない状態で、何から始めればよいのかも分からない状況。しかし、妻・裕子さんのご実家が新地町でコギク農家をしていて、地元がコギクの産地だということを知った泰教さん。「同時に、今後の担い手不足の問題があることも知った」と言います。そこで、農機具や資材などを借りながら、「一から修行をさせてください」と裕子さんのご実家に弟子入りを志願。一年間の修行を経て知識や技術を蓄え、翌年の令和2年にご自身の畑を取得してコギクやスプレー菊等の露地花き栽培を始められました。
「農業を始めるようになって、会社と自宅の往復だけだった生活より、地元で農業をしているからこそ地元の方々とのふれあいが多くなり、楽しく生活出来ています」と語る泰教さん。大好きな地元・新地町の魅力について、「新地町は町全体でコギク栽培に力を入れていて、町内の農家さん同士が有益な情報を共有し合ったり、お互いに励まし合ったりして、地域一丸となって良いものを作ろうとする素敵な風土があるんです。新地町は農家さんに限らず、皆が地域を誇りに思っていて、地域愛が溢れ出ている本当に温かい場所ですね」と熱く話してくださいました。
「毎年の反省を踏まえて、日々苦労を重ねながら、対策に対策を練って、良いものが出来た時の満足感はたまりません。さらに、産地としての地域農業の維持継続と農地の有効活用などに貢献できる仕事をしていることに喜びを感じています。」独立就農で良かったことについて、そう語る泰教さん。
これから就農を目指す人へのアドバイスも最後に伺いました。
「就農を始める前に、今は色々な支援事業があるので、まず地元の行政機関や農林事務所などに相談してみることをオススメします。始めは分からないのが当たり前です。ぜひ勇気を持って相談してみてくださいね。私自身も地域の担い手の1人である自覚を持って、新地町のコギク栽培の継続、更には発展に励んでいきたいです。やる気のある仲間もどんどん増やしていきたいので、ぜひ新地町での農業に興味がある方はお声がけください!」